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2019年07月23日 [ニュース]

きちんとした挨拶

そもそも「挨拶」という言葉の意味は、自分のほうから胸襟を開いて相手に近づいていくこと。百寿コンシェルジュを目指すみなさんには、最強の挨拶、「愛語」を自分のモノにしてほしいと思います。曹洞宗の開祖である道元が提唱した「愛語」ですが、江戸時代に、道元を師と仰ぐ良寛さんが、こんなすばらしい話は広く一般大衆にも広めるべきだと考え、師の言葉をやさしく噛みくだいて解説してくれて今日に至っています。これは、私の知る限り、最強の人間関係構築術です。

曹洞宗の開祖・道元さんは、その経典ともいわれる『正法眼蔵』の中で、「愛語」には、芳しくない状況下にある人をも前向きな気持ちにさせ得るほどの計り知れないパワーが秘められていると書いています。ちなみに、180度、事態が好転することを「廻天」と表現しています。

道元さんを師と仰ぐ良寛さんによると、「愛語」は5つの要素で構成されています。「笑顔で」・「相手の名前を呼びながら」・「何かひとつ質問をしてあげて」・「相手の答えをそのまま受けとめて」・「褒めてあげましょう」というものです。

「笑顔で」というのは、他者から見て、「あの人、話しかけやすそうだな」と思わせるような表情です。相談を受けるSWCが眉間にしわを寄せて気難しそうにしていると、それだけでシニアは気後れしてしまうでしょう。周囲の空気が重くなります。しまいには異臭まで放つようになります。いわゆる仏頂面は周囲の空気を重くします。一度、鏡に映る自身の顔を眺めてみてください。街でその人に出会ったら、あなたは声をかけてみたくなるでしょうか。それとも避けて通りたくなるでしょうか。

「相手の名前を呼ぶ」。
人というのは基本的に他者の話を聴きたがらない動物です。カラオケボックスをイメージしてみてください。例えば上司もしくは先輩であるあなたがマイクを握っていたとして、同席者たちの反応はどうでしょうか。おそらく誰ひとり聞いてやしない。スマホをいじったり、ピザをほおばったり、タッチパネルで選曲したり……。人間というのは、耳栓をすることもなしに興味のない話をスルーできる高等動物なのだそうです。聴いているフリだけでもしてくれていたらまだ救われるのですが…。
でも、他者の話を積極的に聞こうとするケースが2つあります。ひとつは、好きな人の話。もうひとつが、相手の口から自分の名前が発せられたとき。他者の口から自分の名前が発せられたのを感知することで、快楽ホルモンが分泌されることがわかっています。それほどの快楽なのです。だから人に声をかける時は、必ず名前を添えるべきです。
ただ単に「あっ、こんにちは」ではなく、「あっ、山田さん、こんにちは」といった具合に。相手は百寿コンシェルジュであるあなたに認識してもらえているのだという安心や安堵を覚えます。自分はここに居てもいいのだな。ここには自分の居場所があるのだな。そう実感することができるのです。そして、意識的に自分の名を呼んでくれる相手を好きになるという一石二鳥のオマケまで付いてきます。

「何かひとつ質問する」
これには、どのような意味があるのでしょうか。人は他者の話は聞きたくない一方で、自分の話を話したい、誰かに聞いてほしいという身勝手な本能を持っています。だから質問してあげるのです。質問は、相手に対して関心を持っていますよという意思表示です。自分に関心を持ってくれる人に対しては、もっともっと良い関係を深めていきたいという意識がおのずと芽生えてくるものなのです。
「体調、いかがですか?」・「夕べはよく眠れましたか?」・「お変わりないですか?」・「問題ないですか?」…。
何だっていいのです。単なる挨拶にひとつ質問を付け加えることで、相手の存在を認識し気にかけているということが伝わればいいのですからね。

「相手の答えをそのまま受けとめる」
これは簡単です。あなたから質問された相手は何かしら言葉を発してくるでしょうから、それをしっかりと肯定的に受けとめてあげればいい。「へぇー、そうなんだ」・「よかったね」・「いいね!」といったポジティブな心で共感・受容してあげるのです。存在をまるごと認めてあげるのです。笑顔や相槌、頷くだけでもいい。同性であれば、軽く肩を叩いたり、握手したりもOKです。

「ほめる」
これをあまり仰々しく考えないことです。何か相手の心をプッシュアップしてあげるような前向きにするような言葉を添えてあげるだけで構いません。「すごいね」・「やるじゃん」・「素晴らしい」・「最高」・「OK牧場」等々。

積極的に愛語を積み重ねていけば、職場も家庭も友人関係も、あらゆる人間関係が円滑に回りだすから不思議です。ときに、何かの事情でネガティブな状況下にある人に、あたかも暗雲からひと筋の光が射しこむかのように、勇気や希望をもたらすパワーをも秘めています。道元さんは、それをもって「廻天(かいてん)する力(ネガティブな状況を180度好転させることのできる力)」と教えてくれているのです。是非とも今日から実践してみてほしいものです。

そして、この愛語。単なる挨拶の場面だけでなく、いろいろな応用が利くのが素晴らしい。グッドジョブを果たしてノッてる人に。ミスをして落ち込んでいる人に。体調を崩している人に。回復して現場復帰した人に。身内に不幸があった人に。サポートしてくれた人にお礼を告げるときに。さらに……。ランチの会計をする際にレジの人に。バスやタクシーの運転手さんに。買物をしたときの店員さんに。大きな荷物を抱えて大変そうな人に。もちろん、配偶者や子どもに対するあらゆる場面で。5つの要素の「笑顔」のところを状況に応じて変えればいいだけです。表情に加え、音調・語調も相手の置かれている状況に応じてアレンジすることは忘れないよう気をつけてください。

普段のあなたの考え方にもよりますが、変わることをためらう人は多いものです。それは現状を変えないのがいちばんラクだから。しかし、福祉の世界で成功しようと志すのであれば、是非とも変わってほしいものです。意図的に変化することをエンジョイするくらいの器であってほしい。そう願い信じたい。そりゃあ、はじめは周囲から変な目で見られるかもしれません。でも、人目を気にしている場合じゃありません。いまから愛語をクセにしておくことです。心からそう思います。

というのも、愛語は他者の気分を良くしますが、それよりも大きいのは、前向きな挨拶を発した本人、つまりあなた自身が最大の恩恵を受けるということです。例えれば、満員電車で年長者に席を譲ったときのようなハートウォーミングな気持ちになれるはずです。それは体内の免疫力を高め、健康を維持する上でも大いに役立つはずです。

まぁ、ダマされたと思って1日。出会う人に、終日、意識的に愛語を使って声かけをしてみてください。相手が呼応してくれたら儲けもの。最悪、怪訝な顔をされたり無視されたりしたとしても、あなた自身の心身にプラスの効果をもたらすことはまちがいないので無駄ということはありません。もしも3日つづけることができたとしたら、あなたの周囲の景色が少しずつ変化していくのを体感できるはずです。


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