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2019年05月12日 [ニュース]
終活ブームの徒花(前編)
終活士、終活診断士、終活ライフケアプランナー、終活カウンセラー、終活アドバイザー、終活ガイド、終活マイスター、エンディングコンサル タント、エンディングコーディ ネーター、エンディングコーチ、エンディングノートプ ランナー、エンディングノートナ ビゲーター、エンディングメッセージコンサルタント、シニアライフアドバイザー、シニアライフ マネージャー、シニアライフプランナー、シニアライフインストラクター、シニアライフコーディネー ター、シニアライフカウンセラー……。
「終活 エンディング シニアライフ 資格」で検索をかけると雨後の筍のごとく現れる認定資格の数々。
すごい数である。これらの資格を取得した人たちが全国のシニアの老後を支援していることになるのであるが、調べてみるとそこは微妙である。
例えば、過去に何度もビッグイベントを開催している某資格を取得したある女性はこう言う。
「この資格のブランドで競合との差別化ができる。結果として事業拡大や顧客獲得につながると聞いて1万円ならと取得したものの、なかなか商売には結びつかなくて。まぁ、1万円ですから当然ですよねぇ」。
別の男性は、
「世の中、終活ブームですからね。イベントをやればそこそこシニア客がやってくるんだけれどね。あれやこれや訊かれるからアドバイスするんだけどさぁ。なかなか財布のひもは硬いよねぇ。安くて簡単に取れる資格だから受講者も多いようだけど、主催者だけじゃない、ホクホクなのは」。
他にも数名、同資格保有者に話を聞くと、いずれも葬儀関連の会社に勤めていたり、士業として事務所を構えたりしている。受講前は、同協会がアピールするように新規事業にできればとか、副業にできればとかいう思いがあったようだ
が、結果的には商談時に多少話に花が咲く程度の効果しか出ていないのが実情だとため息まじりに話してくれた。
また、あるNPO法人が認定する別の某資格は、 通信講座で自宅にいながら取得できる点で、先述の資格よりもさらにお気楽に取得できそう。同資格を取得した男性は、
「最初は何度かやってみたんだよね。お年寄りの通院に同行してあげたり、司法書士や不動産屋を仲介してあげたりね。でも実際にサポートしてあげてる自分が悟っちゃうのよ。こんな程度のことでおカネを貰っちゃあ申し訳ないよなって。所詮、ボランティアですよ。こんな資格を取って稼げると思うなんて、オレも甘かったよね」と言いながら自虐的な笑みを漏らした。
別の70代の女性は言う。
「ご近所のお年寄りのちょっとしたことをお手伝いしてあげてね、おこづかい程度のおカネがもらえればいいわなんて思って資格を取ったんですけどねぇ。むずかしいわねぇ、おカネをいただくのは。何と言っても、お手伝いする私だってお年寄りなんだものねぇ(笑)」。
他にも無作為で認定資格を統括する企業に電話をかけてみると、いかに価値が高い資格であるかを熱心にプレゼンしてくれるのだが、私の認識としてはこうだ。各認定資格を創設した母体企業は、最終消費者であるシニアの悩み解決について、どこまで本気でサポートしたいと考えているのかは疑問である。
(続く)
「終活 エンディング シニアライフ 資格」で検索をかけると雨後の筍のごとく現れる認定資格の数々。
すごい数である。これらの資格を取得した人たちが全国のシニアの老後を支援していることになるのであるが、調べてみるとそこは微妙である。
例えば、過去に何度もビッグイベントを開催している某資格を取得したある女性はこう言う。
「この資格のブランドで競合との差別化ができる。結果として事業拡大や顧客獲得につながると聞いて1万円ならと取得したものの、なかなか商売には結びつかなくて。まぁ、1万円ですから当然ですよねぇ」。
別の男性は、
「世の中、終活ブームですからね。イベントをやればそこそこシニア客がやってくるんだけれどね。あれやこれや訊かれるからアドバイスするんだけどさぁ。なかなか財布のひもは硬いよねぇ。安くて簡単に取れる資格だから受講者も多いようだけど、主催者だけじゃない、ホクホクなのは」。
他にも数名、同資格保有者に話を聞くと、いずれも葬儀関連の会社に勤めていたり、士業として事務所を構えたりしている。受講前は、同協会がアピールするように新規事業にできればとか、副業にできればとかいう思いがあったようだ
が、結果的には商談時に多少話に花が咲く程度の効果しか出ていないのが実情だとため息まじりに話してくれた。
また、あるNPO法人が認定する別の某資格は、 通信講座で自宅にいながら取得できる点で、先述の資格よりもさらにお気楽に取得できそう。同資格を取得した男性は、
「最初は何度かやってみたんだよね。お年寄りの通院に同行してあげたり、司法書士や不動産屋を仲介してあげたりね。でも実際にサポートしてあげてる自分が悟っちゃうのよ。こんな程度のことでおカネを貰っちゃあ申し訳ないよなって。所詮、ボランティアですよ。こんな資格を取って稼げると思うなんて、オレも甘かったよね」と言いながら自虐的な笑みを漏らした。
別の70代の女性は言う。
「ご近所のお年寄りのちょっとしたことをお手伝いしてあげてね、おこづかい程度のおカネがもらえればいいわなんて思って資格を取ったんですけどねぇ。むずかしいわねぇ、おカネをいただくのは。何と言っても、お手伝いする私だってお年寄りなんだものねぇ(笑)」。
他にも無作為で認定資格を統括する企業に電話をかけてみると、いかに価値が高い資格であるかを熱心にプレゼンしてくれるのだが、私の認識としてはこうだ。各認定資格を創設した母体企業は、最終消費者であるシニアの悩み解決について、どこまで本気でサポートしたいと考えているのかは疑問である。
(続く)