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2019年04月18日 [ニュース]

親子関係を修復する方法

親世代がエンディング対策を講じようとするなら、お子さんたちのサポートは不可欠です。ですが、多くの場合、お子さんたちの成長に連れ、親子間の心理的距離は離れていくものです。もちろん、物理的にも、ですよね。でも、そんな状態のまま、ある日突然、お子さんたちの携帯電話を鳴らしてSOSを繰り返したり、亡くなって遺言や遺書が見つかったりしたら、お子さんたちの心情はどうなると思いますか?

きっと、事前に親子で会話する機会があって、心の準備ができていたなら良かったのに…と思うのではないでしょうか。ある意味で疎遠になったままの状態で、何の予告もなしに、「介護が必要になったから何とかしてくれ」と振られても、お子さんたちだって忙しいし状況というものがあります。親が死んでしまったと思ったら、いきなり遺書が出てきて、長男より長女のほうが遺産が多かったりしたら、長男はきっと、「ええっ!何でだよ」と思うはずです。

ですから、本当に望ましいのは、親世代がエンディング対策を始める段になったら、親のほうからお子さんたちに声をかけて、長い年月をかけて離れてしまった心の距離を縮めておくことなのです。親子で向き合う機会を意識的に増やして、少しずつ昔の親子の絆を呼び覚まして、そうしておいてからエンディングノサポートを頼む…。そんなステップが不可欠なのです。お子さんたちも、自然な流れで親の老後を支えようという気持ちになるのです。このプロセスをすっ飛ばしてしまうから、ギスギスした親子関係のまま介護やら葬儀やら相続のことが顕在化してしまうから、家族間・親族間の厄介なトラブルが発生してしまうのです。
ということで、親子関係を改善してからエンディングの段取りを…ということなのですが、実は多くの親世代の人たちがこぼすのは、「どうやって子どもたちとの関係を元通りにすればいいのかがわからない」ということです。そこには、親のメンツや血縁ゆえの照れや恥ずかしさがあるのでしょう。

そこで、私どもが提供している、親子関係を修復する方法についてご紹介してみようと思います。きわめて簡単なコミュニケーション手法ではありますが、その効果は絶大です。これを行っていただいた時点で、ともすれば照れが生じてしまいがちな親子間のまどろっこしい関係は確実に潤い、信頼関係の再構築に向けて動き出すはずです。いわゆる老老地獄を回避するためにも、実に有効な手法ですから、百寿コンシェルジュに頼まずとも、娘さん・息子さんがお母さん・お父さんに対して、こんなふうにアプローチしてみるのもいいと思います。正月でもいいし、お盆でもいいし、母の日・父の日でもいいし、誕生日でもいい。是非トライしてみてください。

以下に、具体的な流れをご紹介します。

まずは切り出しから。

「今日はね、お母さん(お父さん)のこれまでの人生についてね、少しだけ話を聴かせて欲しいの。私たちを産んで育ててくれたお母さん(お父さん)が、どんな人生を生きてきたのか。いま何を想っているのか。これから先をどう生きていきたいのか。子どもの立場として、ぜひ知っておきたいなって思うんだ」。

実際に試してみた人たちの話では、ほとんどの老親が「急にどうしたんだい?」と、ちょっと怪訝そうなリアクションを返してきます。でも、お子さん側の、心から母親または父親の生き様を知っておきたいのだという意思が伝われば、若干照れながらも、きっと正面から対話に応じてくれるはずです。

お互いの対話姿勢が整ったところで、こう言いましょう。

「じゃあ、どちらでもいいから掌を出して。そう。こう開いて。でね、お母さん(お父さん)のこれまでの人生を振り返りながらよぉく考えて欲しいんだ。
お母さん(お父さん)が心から感謝してる人を5人。親指から順番にね、感謝してる順に挙げていってみてくれる?」

多くの場合は、自分の「母親」が挙げられるわけですが、肝心なのは、なぜ(その人に)感謝をしているのかについて、具体的に詳細に話をしてもらうことです。

さらに、「いまその人に会うことができたとしたら、その感謝の気持ちをどのような言葉で伝える? ちょっと実際にやってみて欲しい」と頼んでみます。これを親指から小指まで、5人、続けていくのです。

たったこれだけです。これが親子間の心理的距離をちぢめるための具体的なやり方です。エンディング対策のはじめの一歩です。百寿グループでは、「ホットアイスリラクゼーション」と称しています。氷が時間をかけてゆっくりと溶けていくイメージです。心理カウンセラーが対応させていただいています。これをやると、9割の確率で親側は涙します。8割の確率で子ども側も涙します。というのも、かなりの確率で、5人のうちの一人として、あなた(娘さん・息子さん)の名前が登場するからです。孫も入れて3世代でこれをやった人がいるのですが、小学校5年生のお嬢さんがわんわん泣き出して、おばあちゃん(老親)に抱きついたほどです。

かつて偉大なる哲人・アリストテレスは、悲劇を通して流した涙で人間の精神が浄化されると言っています。観客は悲劇の登場人物に自分自身を投影し、嘆き、悔やみ、涙することでネガティブな感情から解放されていくと。「ホットアイスリラクゼーション」の本質もまったく同じです。自らの人生を回顧するなかで自分を支えてくれた人たちのことをカラー動画でイメージし、かつ、それを自らの言葉で語る。そうすることで、心に闇を抱えている場合には一筋の光が差し込み、そうでない場合であっても、これからの人生に向けての凛とした覚悟を喚起することができるのです。そして、その貴重な思いを引き出してくれて、ともに涙している子どもに対して、改めて全幅の信頼を認識するようになるのです。

余談ですが、似たものに精神医療の現場でいう内観療法というのがあります。かつて比叡山の麓の禅寺で体験させてもらったことがあります。まずは、ついたてで周囲と仕切られた畳半畳ほどの空間に正座する。つぎに、ただひたすらに、生まれてから今日までにあった、「誰かにしてもらったこと」「誰かに迷惑をかけたこと」を逐一思い出す。そして、その相手への感謝とお詫びを言葉にする……というものだったと記憶しています。都合6時間はアッという間に流れ、大量の涙が流れ、そして、それでもいつか、涙は枯れるものなんだなぁ〜と悟った瞬間、心の中に、澄み渡る晴れやかな青空がひろがるのを実感したことを昨日のことのように覚えています。内観により、自分や他者への理解・信頼が深まり、自己が存在することの意味を自覚することができるのだと、住職に教えていただきました。それによって生き方の改善を促すといった禅宗の教えだそうです。「ホットアイスリラクゼーション」は、これをアレンジしたものと思っていただければ結構です。


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